上場企業@沖縄へIターン!その実態とは!?
「沖縄へ移住!」
その甘美なフレーズに、たいがいの人は「いいなぁ〜」と身をくねらせ、軽く目を閉じてプチ妄想などしちゃうのでは。
南風に揺れるヤシの木、水平線ま で広がるエメラルドの海、ナンクルナイサ〜的なゆったり感…。
行きたいですよね〜、沖縄。
住みたいですよね〜、沖縄。
でも、「仕事」はどうするのっ??(ここでハッと我に返る!)
というわけで今回は、東京からのIターン歴7年!
沖縄の上場企業で新規事業のプロジェクトリーダーを務め、最近話題の「IoT水耕栽培キット」をプロデュースした、沖縄セルラー電話株式会社ビジネス開発部開発グループの加賀武史さんに直撃取材。沖縄への移住の背景や、いまのお仕事内容についてじっくりお伺いしました!
環境変えたい×奥さん沖縄出身=移住決定!
もともとは名古屋出身の加賀さん。東京の大学へ進学し、新卒で都内の制御・計測系のプラントメーカーへ。国内および海外営業の業務にいそしむ中、ある日芽生えた「環境を変えたい」という思いから、沖縄への移住を検討。その結果、奥様の出身地である沖縄へ2009年に家族で移住するに至ったのだそう。
パートナーが沖縄出身って、アドバンテージ高い!とうらやむ方も多いのでは!?
沖縄セルラーへ転職する際は、具体的な募集職種はなかったため「前の会社の流れで、法人営業になるのかな」くらいに思っていたという加賀さん。肩の力、抜けてます(笑)。そして実際に、最初に就いたのは「お客様センターの運営業務」でした。
ところがその約3年後、当時の社長から「沖縄のためになることを考えなさい」というお題が降りかかる。そこで、台風が多い土地柄のため、葉野菜の生産を県外に依存しているという現状から、会社として「植物工場事業」に取り組むことに。
ここで必然か偶然か、加賀さんは農学部出身!さらにダメ押しで、制御や計測に関する電機メーカー出身!ここで点と点が線になり、「わかっている人間がやったほうがいいかな」というご本人の希望でこの事業のメンバーとなったのです。
このような流れで、急遽、新規事業に取り組むことになった加賀さん。
その時の気持ちを尋ねると、、「ちょっとやってみようかな、というのが正直なところですね(笑)」
加賀さん、そのほんわりエアリー感、好きです!
植物工場事業のノウハウ生かし、コンシューマー向け「IoT水耕栽培キット」の製作・販売へ!
2017年3月の発売に至った、いま大注目のIoT水耕栽培キット「やさい物語」。
これは加賀さんがプロジェクトリーダーとなり、植物工場事業で培った技術やノウハウをフル活用して製作されました。
「やさい物語」は、スマホのアプリを通じて、リーフレタスなどの野菜の成長過程を楽しみながら、土を使わず新鮮でおいしい野菜をだれでも簡単に栽培することができるIoT水耕栽培キットです。カメラ機能を搭載しているため、気温、水位などの測定データだけでなく、撮影した画像データもスマートフォンから閲覧ができるIoT水耕栽培キットの発売は日本初!また、植物工場事業者が、そのノウハウを生かして発売するのも日本では初の試みなのだとか。
「やさい物語」の製品特徴
- キット内の野菜の状態を自動撮影し、スマートフォンのアプリで閲覧できる
- キット内の気温、水位に異常があった場合は、スマートフォンにアラート通知を送信する
- アプリからLEDの点灯時間制御できる
- 過去の気温/湿度の履歴をアプリでグラフ表示できる
そんな初めてづくしの、革新的なIoT製品の開発に至った経緯とは?
…植物工場事業の運営も順調に進んでいた2015年6月、関連会社のKDDIで、農業関係のビジネスをやっているグループが集まり、セミナーを開催。その際、加賀さんは植物工場を運営していることに加え、コンシューマー向けに水耕栽培キットを作りたいと話したという。ただその時は「ちょっとかっこいいものを作れればいいかな」ぐらいに考えていたのだとか。
その時、KDDI総合研究所のメンバーが「それをIoTでやりたい!」と提案。加賀さんもそれに「激しく同意」。結果、沖縄セルラーが主体となり、KDDI研究所には全面的に協力してもらうという形で進めることに。
現状、ハード面や全体の管理・指揮は加賀さんが行い、細かいアプリの修正やコードなどについては研究所のメンバーに協力してやってもらっているのだそう。
出来上がった「やさい物語」は、情報通信関係の見本市では世界最大規模の『CeBIT(セビット)国際情報通信技術見本市』で展示されるまでに。もはや、沖縄という枠を超え、日本屈指の技術力を誇るIoT製品がここに誕生したのです!
ぶっちゃけ、忙しいんじゃないですか?
加賀さんはこのBIGプロジェクトリーダーだが、メンバー構成について聞いてびっくり。
「最初から最後までやっているのは私だけ。あとはKDDI総合研究所の人が2人で、あとから一人社内の人が加わって合計4名です」
…なんという少数精鋭!!ていうか、めちゃくちゃ忙しくないですか!?お家に帰れてます??
「正直、もう少しのんびりできると思ってました(笑)今発売前なのでちょっと忙しいですけど、それでも8時とか9時には帰ってますよ。」
なるほど。じゃあ週末もご家族とゆっくり過ごして、沖縄エンジョイ!的なかんじですか?
「沖縄は7年になりますけど、観光はひととおりしつくしたので、もうとにかく行くとこがないんですよ〜。これが悩みです。ハハハ。」
(ここで同席した編集部一同、「沖縄楽しいです!」的なコメントいただけない想定外の事態に遭遇し、ザワつく…)
沖縄に移住して、お金かからなくなりました!
あれっ、、加賀さん、もしや移住をちょっぴり後悔とかしてます??(汗)
「いえいえ、移住は、いいか悪いかと言ったら、良かったと思いますよ。転勤とかの心配がないのと、着るものにお金かからなくなりました(笑)」
き、着るもの、ですか??
「いい服買っても、来て行くことがないんです。コートとかもカビていく。カビて捨てたコートとカバンの被害総額がとんでもないことになってて。沖縄は湿度がものすごいというのと、そもそもコートなんか着ない、というので。」
「そうなってくると、着てくとこがない、すぐダメになる、さらに日差しも強いので、いい服っていうのはいらなくなってくる。移住あるあるですよね。なので服代がかからなくなったのはいいところですね。」
「まあとにかく沖縄に移住して、お金がかからない生活になりましたね。結果的に(笑)」
(編集部一同、一応前向きなコメントに落ち着いたので、若干の安堵感が広がる…)
さいごに 〜エンジニアのみなさん、ウエルカム!〜
まさしくこれが、Iターン移住者の「リアル生声」。
仕事環境、生活環境において、さまざまな現実が自分にマッチしたり、しなかったり。
ただ加賀さんから伝わってくる「ほんわりしたやわらかさ」は、沖縄のあたたかな気候とピッタリ重なって見えるのは紛れもない事実。加賀さんにとって沖縄という土地は、ご自身のスキルをフルに活かしながらも、あくせくしすぎることなく、自分に合ったペースで仕事をしたり暮らすことができる場所なのかもしれません。
沖縄移住の「仕事」という側面について、加賀さんはこう言います。
「沖縄に移住を検討されている方は、手に職がないと厳しいイメージがあるかと思います。幸い私は沖縄セルラーに入って、それが活かせる仕事に巡り会えて、幸運だったと思います。そして、手に職がある人は、そもそも需要がとても多いと思います。」
「今回のIoT事業で、アプリ開発とかサーバー管理とかお願いしたのは全部東京だったんですが、やっぱり沖縄でできたらありがたいと思う。その需要は高まっているが、できる人がなかなかいないので。」
…いま沖縄は、エンジニアはウエルカム状態!そして実際、加賀さんのように専門性の高いスキルを活かせる企業もまだまだたくさん存在します。特に700社以上あると言われているIT関連や、発展めざましい観光系の企業は要チェックですよ。暖かくて、海がキレイで、人が優しくて、洋服代がかからない!?そんな沖縄でのエンジニアライフは、きっとナンクルナイサ〜!!
▼取材協力
沖縄セルラー電話株式会社
https://www.au.com/okinawa_cellular/
ビジネス開発部 開発グループ
植物工場プロジェクトリーダー
課長 加賀武史さん
▼やさい物語
http://yasaimonogatari.com/
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