台湾のAI企業が熊本県芦北町で”越境ワーケーション”を実施!自治体や地元企業と交流、デジタルノマドの誘致へ

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熊本県南部に位置する芦北町がこのほど、台湾のAI企業による”越境ワーケーション”を実施しました。サテライトオフィスを訪問してもらったほか、地元企業と交流する機会も用意。海外企業で働く外国人向けのワーケーションに、どんな可能性があるのか。町による企画の意図や地元の反応は果たしてーー。

芦北町を訪問したのは、AI技術開発や動画コンテンツ制作などを手がけるGliaCloud Co., Ltd.(台北市)です。町が廃校になった小学校の校舎や役場の一部を活用したサテライトオフィス、観光施設などを案内し、意見や要望を聴取。生の声をフィードバックしてもらうことで、新たな発見につながったとしています。

また、芦北町商工会や地元企業との交流する機会も設けました。海外企業の持つ新たな技術を活用したアイデアについて意見交換し、インバウンドを含めた交流人口の増加や地元企業のビジネス機会の創出などに向け、大きなヒントを得ることができたそうです。

サテライトオフィス入居企業との意見交換会

今回なぜ、この企画を立ち上げたのか。コロナ禍をきっかけに業務のオンライン化が進み、全国各地でワーケーションが広まる中、同町はサテライトオフィスの設置をはじめワーケーションの環境を整備してきました。

とはいえ、ワーケーションの主な対象は、国内の会社員や個人事業主であることが多いのが実態です。そんな中、訪日外国人の増加などを受けて海外企業の動向に着目。海外企業の日本進出を支援し、芦北町にも進出する株式会社Isea(アイシー)と連携し、台湾のAI企業の訪問が実現したかたちです。

背景には、2024年3月に日本で「デジタルノマドビザ」の運用が開始されたこともあります。国際的なリモートワークなどを目的として日本に滞在するためのビザのことです。IT技術を活用し、場所に縛られず「ノマド」(遊牧民)のように旅をしながら仕事をするリモートワーカーを指します。そんな風に観光目的だけでなく、仕事をしながら日本中をめぐる外国人が増えているそうです。

芦北町役場田浦支所の「芦北サテライトオフィス田浦」議場を利用した会議室

同町は以前から国内のビジネスマンやその家族を対象にしたワーケーション企画を継続的に行ってきましたが、今回は海外企業にまで視野を広げました。なお、海外企業の受け入れは今回が初といいます。

円安の影響もあり、訪日外国人の数は過去最高を記録しています。デジタルノマドの誘致は今後、どれほど広がりを見せるのか。そして、受け入れる地方にどんなメリットやインパクトがあるのか。今後の動きが注目されています。

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シフトローカル編集部。シフトローカルなメンバーが集まって構成している。

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