全国各地でサテライトオフィスを開設する動きが加速しています。3月には新たに北海道登別市と島根県出雲市に新規オープン。また、静岡県は特設サイトを設け、入居企業のインタビュー動画の配信などに力を入れています。新型コロナウイルス禍で企業や人の地方回帰が叫ばれる中、こうした動きは今後もさらに広がりそうです。
「木」「石」「水」「葉」をテーマに自然の要素をたっぷり詰め込んだ、広々としたリラックスできる空間ーー。北海道登別市に新設されたサテライトオフィス「en(えん)」は、日本工学院北海道専門学校内にあります。「木」などテーマ別に4つのスペースを設け、コワーキングスペースや企業向けのレンタルスペースとして活用する想定です。同専門学校は自然に囲まれた場所にあり、ゆったりとした環境の中でテレワークが可能。また、登別温泉にもほど近いためワーケーションにも適しているといいます。
市は、地域の活性化を目的にサテライトオフィスやワーケーションの誘致を推進。その一環で、今回の新たな拠点開設に至りました。学校内に設置することで企業と学生、地域との交流を促し、産学官の連携を深めたい狙いがあります。
一方、島根県出雲市のサテライトオフィスは、数年前に閉校した旧日御碕(ひのみさき)小学校校舎を一部改修。「窓から海が見える小学校」をキャッチフレーズに掲げ、最上階の校舎3階を改修し、3つのオフィスルームと1つのコワーキングスペースを設置しました。高速インターネット回線も完備し、IT企業をはじめとする全国から入居・利用する会社を募集しています。
旧校舎は出雲大社から車で15分ほどの場所にあり、海を見下ろせる高台に位置します。明治時代から141年もの長い間続いた歴史があり、ノスタルジックな雰囲気が漂います。そんな校舎の歴史や出雲ならではの自然を感じながら、広々と開放的なスペースで働けるのが魅力です。
同様にサテライトオフィスの開設や企業誘致に力を入れている静岡県では、サテライトオフィスに特化した情報サイト「サテライトオフィスしずおか」を運営。入居企業のインタビュー動画を配信するなど、情報発信に熱心に取り組んでいます。
同サイトでは、記事やインタビュー動画などで企業の事例を紹介。また、オフィスとして活用可能な約1,000件の物件や、県内にあるコワーキングスペースなどの情報を集約しているほか、サテライトオフィスに関する行政の補助金・支援制度なども網羅しています。
実際に進出した企業の動機や、メリットやデメリットを「生の声」として伝えることで、サテライトオフィスへの入居の検討に役立ててもらいたい考えです。
<関連サイト>
●日本工学院北海道専門学校サテライトオフィスen ウェブサイト
https://ensat.jp/
●日御碕サテライトオフィス公式サイト
https://hinomisaki-so.jp/
●「サテライトオフィスしずおか」
https://shizukuru.pref.shizuoka.jp/satellite_office/index.html