コロナ禍でテレワークや移住などへの関心が高まる中、全国の自治体が補助金制度などを充実させています。個人を対象にした住宅補助やテレワーク支援金、また企業に向けてもサテライトオフィスの開設に助成金を提供するなど、移住者の受け入れや企業誘致に積極的に乗り出しています。
茨城県取手市が6月1日から新たに導入するのは、「テレワーク移住促進補助金」です。テレワークを行う人を支援する目的で、住宅補助や賃貸物件の家賃補助、市内の宿泊施設でテレワークを行う際の補助を用意しました。
市内で住宅を取得した転入者に最大50万円、賃貸住宅を借りた転入者に月々最大2万円を補助。また、市内宿泊施設でのテレワークプランの利用者には1回あたり最大2,000円を補助します。住宅購入者に関しては、他の制度を併用することで最大200万円の補助を受けることができるそうです。対象期間は、6月1日から2022年1月31日までとなっています。
取手市は「茨城県の玄関口」と言われ、JR取手駅から上野駅までは最短34分、品川駅までは最短49分と東京圏に通いやすい地域とされています。また、利根川をはじめ自然豊かな環境も魅力。都内のオフィスに週に1,2回出勤しながら、それ以外の日は都会の密を避け、自然豊かな環境で過ごす。そんな暮らしを実現できるいい機会になりそうです。
豊橋市と福島市、サテライトオフィスの開設費用などを補助
一方、企業向けにサテライトオフィス開設の補助制度などを新たに取り入れたのが、愛知県豊橋市と福島市(福島県)です。
豊橋市はITやクリエイティブ系企業の誘致を目指しており、今回新たにサテライトオフィスの開設費用として100万円を上限に半額を補助するほか、開設後の家賃など運営費用の全額(1ヵ月あたり最大15万円)を半年間補助する制度を導入しました。地方への進出や社員の満足度向上、BCP(事業継続計画)対策などを検討しているIT企業などにアピールしたい考えです。
同市は、株式会社ブランド総合研究所が実施した「市政SDGs調査2020」において生活満足度でトップ、総合でも5位にランクインしたことで注目を集めました。コロナ禍でテレワークや地方分散の動きが広がる中、企業の地方進出を後押ししたいとしています。
福島市が「ゆとり満喫福島オフィス」と称して導入したのは、ベンチャー企業経営者や社員向けオフィスの転居支援プランです。
「本社機能移転支援」としてオフィス改修費やICT機器などの設備導入費を500万円を上限に3/4補助。また、「サテライトオフィス開設支援」としてオフィスの改修やテレワークに必要な設備・運営費を上限500万円、3/4補助します。さらに、市内の空き物件を事前調査するための交通費と、本社やサテライトオフィスの移転費用をそれぞれ上限10万円、100万円で1/2を補助するメニューも用意しています。
こうした自治体による補助制度はどんどん手厚くなっています。移住を考えている人や地方進出を模索している企業は、様々な制度を事前に調べることでより好条件で移住やサテライトオフィスの開設を進められそうです。
各自治体の補助制度の詳しい情報は、下記サイトをご覧ください。
■取手市テレワーク移住促進補助金
https://www.atpress.ne.jp/releases/257183/att_257183_1.pdf
■豊橋市サテライトオフィス誘致補助金
https://www.city.toyohashi.lg.jp/18574.htm
■《ベンチャー企業経営者向け》ゆとり満喫福島オフィス開設支援
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/kigyou-yuuchi/shigoto/yuchiguide/ritchishien/topclass/yutori.html