プログラミング学習の重要性が各地で叫ばれている。2020年の新たな学習指導要領で、プログラミングの必修化が掲げられたからだ。2020年度から小学校で始まるのを皮切りに、翌年度以降、中学校と高校でも導入される予定。こうした動きを受け、民間のIT企業が自社のオンライン学習サービスなどを地方自治体と連携して導入するケースが散見されるようになっている。自治体と企業が協働し、IT人材を育成しようというのだ。
そうした中、中学・高校生向けのプログラミング教育事業を手がけるライフイズテック(東京)は、茨城県と連携し、県が推進する「プログラミング・エキスパート育成事業」に自社のプログラムを提供すると発表した。県内の中高生40人を対象に、ディズニー・プログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」を利用した自宅学習やメンター(大学生指導者)による個別指導、合宿型プログラミング講座を提供し、次世代のIT人材育成を目指すという。
現在実施している1日体験会の参加者から、意欲やスキルに応じて最大40人を選出。7月以降、約5カ月間にわたるオンライン学習のほか、合宿型プログラミング講座を実施し、大学生メンターの指導も受けながら学びを深める。最終的には、参加者自身がオリジナル作品を制作し、発表する機会を設ける予定だ。
ライフイズテックは、プログラミングに関する中高生向けのワークショップを各地で開催しており、これまでに延べ28,000人以上が参加した実績をもつ。独自のメンター育成プログラム「Life is Tech ! Leaders」を地方の大学生向けに展開し、地域ごとにIT人材を育成する「Tech for Local」を立ち上げるなど、プログラミング教育を通じた地域格差や教育格差の解消に力を入れている。自治体と連携した取り組みは増加しており、本年度は前年度の2倍以上の自治体と協働することが決まっているという。
茨城県で導入するオンライン型教材「テクノロジア魔法学校」は、ディズニーのアニメーションを楽しみながら学べるサービスで、メディアアートとゲーム制作、Webデザインの3つのコースを総合的に学習できる内容になっている。今年4月に提供を開始。同教材を使った自治体との提携は、茨城県が初のケースという。
今回の取り組みについて茨城県教育委員会は、「未来のトップクリエイターの卵を育てるとともに、プログラミングやITを使ったものづくりに興味がある学生の裾野を広げたい」とコメントしている。
【茨城県「プログラミング・エキスパート育成事業」向けプログラム提供の概要】
◆スケジュール
◆対象/定員(一次選考)
茨城県内の学校に通学する中学生・高校生160人(40人×4会場)
※一次選考はいずれか1つの会場のみ参加可能。
◆参加費(一次選考)
無料
※二次選考を通過した人のみ、育成講座の参加費(32,400円(税込))が必要。
◆育成講座の内容
※一次選考、二次選考の両方を通過した40人のみ育成講座が受講可能。
⑴5ヶ月間オンラインでプログラミングを学ぶ
・ウェブサイト制作
・メディアアート制作
・ゲーム制作
⑵自分だけのオリジナル作品を制作
・アイデアワークショップ(1日)
・制作した作品を発表する、1泊2日のプログラミングキャンプ
⑶大学生メンター(指導者)の手厚いサポート
・育成期間中、Life is Tech !のメンターによるサポートも実施