東京と福岡をつなぐのは意外にも電話!? 少数精鋭のエンジニア集団、トルクワークス

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会社のエンジニア仲間たちと仕事をやり遂げる中で、不思議な結束感が生まれることはないだろうか。「次もまたこのメンバーで仕事がしたい」と感じられる仲間は、エンジニアにとって大きな財産のひとつといえるだろう。今回取材したトルクワークスは、そんなエンジニア集団が起業した会社だ。東京で受注した様々な案件を、本社を置く福岡のエンジニアが開発している。「将来は福岡に戻りたい」と語る、東京に出向中のエンジニア、鈴木さんにお話をうかがった。

 

気心や実力を知る、仕事仲間のエンジニア5人での起業

- トルクワークスさんは福岡に本社をお持ちですよね。社員は鈴木さんを入れて5名と少数精鋭ですが、設立の経緯をおうかがいしてもよろしいでしょうか。

鈴木さん: トルクワークスは2011年に福岡で起業しました。社員は現在5名、全員前の会社で同じ部にいたメンバーで、全員が役員という体制です。iPhoneが日本に上陸したのは約10年前になりますが、それ以前から前の会社で私たちはMacOS X の公式開発言語である「Objective-C」や「Cocoa Frameworks」を使ってソフトウェアの開発をしていました。iPhoneが発売されてからは、スマホアプリの開発を担当していました。このときの部のリーダーだったのが、トルクワークスの代表、吉原です。

- 同じ部署のエンジニア仲間で起業ですか。気心や実力を知っているメンバーでの起業なら、安心だったのではないでしょうか。ところでトルクワークスさんの事業はどういったものでしょうか。

鈴木さん: トルクワークスは受託会社として、スマートフォン向けシステムやWebシステムを開発しています。最近ですと某ホールディングカンパニーからの案件で、各カンパニーを横串でつなぐ社内SNSの開発を行いました。タブレット端末やスマートフォンで動作するミーティングシステムも実績のひとつです。ほかにも 360°動画再生アプリ(Unity:iOS、Android)や漫画ビューワーアプリ(iOS)など、幅広い分野の案件を開発しています。どちらかというとB to B案件が多いですね。波がありますが、クライアントは東京が7割、福岡が3割といったところです。

 

Slackも使いますが、メインは電話です(笑)

- 5人のうち東京にいらっしゃるのは鈴木さんだけとうかがいましたが、実際の開発は福岡にいるエンジニアが行うのでしょうか?

鈴木さん: そうですね。現在東京にいるのは私1人、残りの4人(男性2名、女性2名)は福岡です。東京で受注した案件は私がカウンター対応し、彼らに開発を担当してもらっています。

- 離れた場所にいるエンジニアと一緒に開発する際は、コミュニケーションが大切になってくるとよく聞きます。御社ではどんなツールをお使いですか?

鈴木さん: それがうちの会社は電話なんです(笑) 福岡のメンバーとは毎日電話で会話しています。ITエンジニアのコミュニケーションツールにはSlackを利用するという会社も多いと思いますが、うちはSlackも使いつつメインは電話です(笑) 社員が5名と小規模なのも、電話で済んでいる原因かもしれませんね。

 

きっかけはNTP 時計メーカーからITエンジニアへの転身

- 鈴木さんは元々東京のご出身とうかがいました。そうすると東京→福岡→東京という動きになりますね。東京担当になるまでは、どのような経緯があったのでしょうか。

鈴木さん: 実は私、エンジニアになる前は某時計メーカーの社員でした。都内の百貨店や量販店を担当していたところ、福岡に転勤になりました。正確な時刻を受信する電波時計ってありますよね。送信局から送信される時刻情報を受信して自動的に時刻を修正するのですが、インターネットにもデバイスが持つ時計を正しい時刻へ同期するためのNTP(Network Time Protocol)という通信プロトコルがあると知り、当時インターネットに無知な自分としては衝撃を受けると当時に、こうした仕組みに興味を持ちました。ITバブルを目の当たりにし、自分も興味をもったIT技術を学ぶために、時計メーカーに勤めながら福岡の専門学校に通い始めたんです。卒業と同時に会社を辞め、半年間の専門学校のアシスタントを経て、30歳からIT業界で働くようになりました。

- 時計業界からITへの転職とは、珍しい。そうなるとITエンジニアとしてデビューしたのは福岡ということになりますね。最初に就職したのが、前職の会社ということでしょうか。

鈴木さん: そうですね、前の会社には7年ほど在籍し、その後トルクワークスのメンバーとなり6年ほどになります。ITエンジニアとしては、13年目になります。

 

「東京出身なんだから」と言われ、再度東京へ

- 東京生まれ、東京育ちの鈴木さんに、福岡はどう映りますか?

鈴木さん: 実は私、社会人になるまで大阪より西に行ったことがなかったんです。福岡転勤はかなり遠くに移る印象でした。最初に福岡を訪れたとき、都市部からちょっと離れた大分や熊本との県境に行くと、わからない方言が多く焦りました。現地のお客様に意味を教えてもらったのを覚えています(笑)

福岡には最初の転勤から7~8年いたことになりますが、大好きな場所です。街にはなんでもあるのに自然も豊かなんです。私はサーフィンが趣味なんですが、福岡は街から少し行けば海。向こうではよくサーフィンに行っていました。

- 大好きな福岡から東京に移ったのは、どういったことだったのでしょうか。

鈴木さん: トルクワークスのメンバーは、私以外は全員福岡出身なんです。東京のクライアントからの案件が多くなり、東京出身の私がこちらに戻ることになりました。東京担当になってからは、福岡に行くのは年末くらい。寂しいです(笑)

 

福岡は暮らしやすさ、東京はビジネスチャンス

- 本当は福岡に戻りたいというお気持ちが伝わってきます(笑) 福岡と東京、2つの地域を知っている鈴木さんにとって、それぞれ違いはありますか?

鈴木さん: 福岡と東京は日の出、日の入りに1時間の差があるんです。福岡のほうが日没が1時間遅いので、その分東京より遅くまで働く人が多い印象でした。私のまわりでは遅くまで働き、遅くまで飲む人が多かったですね。みなさん同じようにおっしゃると思いますが、やはり福岡は東京より物価が安く暮らしやすいです。

東京のよさは、やはり情報が早いことですね。IT技術はネットを活用すればどこにいても同じ情報を入手できますが、ビジネスチャンスに関する情報は東京の方が早いと感じています。

― 福岡でITエンジニアとして第二の人生をスタートさせた鈴木さんですが、最後に将来の夢をうかがえますか。

鈴木さん: これからも今の仕事を続けられるよう、エンジニアとしての技術や経験を積み重ねていきたいと思います。いまは初期メンバーの5人でやっていますが、今後は会社に人を増やしていかなくてはとも考えています。

プライベートでは、2人の子供が大きくなったら妻と福岡に戻りたいですね。東京は仕事が豊富でチャンスも多いので、子供は東京で就職させたいと思っています。その後は大好きな福岡に戻って、ゆったりと暮らすのが夢です。

 

トルクワークスは、プログラマーまたはシステムエンジニアを求めています!

会社名: 合同会社トルクワークス
募集職種: ソフトウェアエンジニア(スマートフォン向けアプリ開発・Webシステム開発)
勤務地: 福岡春日市
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プロフィール

鈴木淳(すずきじゅん)さん。
東京都出身。時計メーカーの営業職からシステムエンジニアに華麗にキャリアチェンジをする(←自分で言うな)。現在は、子供の遊びに本気で付き合う、大人げない父親です。

 

About Author

インコを愛するフリーライター。趣味は格闘技。いつまで経っても強くなれない悔しさを、仕事へのエネルギーに変えています。

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