AI技術を活用したソフトウェア開発などを手がける株式会社divx（本社：東京都渋谷区）はこのほど、鹿児島県霧島市と立地協定を結び、市内にサテライトオフィス「霧島ラボ」を新設しました。同社として、自治体と連携して運営する最初の拠点。IT人材の現地採用を進め、同市の1次産業や2次産業のDX化やIoT活用といった研究開発とビジネス創出に取り組む方針です。
同社は従来から、東京のみならず地方における活動が成長に重要であるとの考えから、大阪や名古屋、福岡に開発拠点を構え、東京だけに依存しない開発体制を整えてきました。そんな中、霧島市はDX化やIoT活用といった研究開発とビジネス創出に必要な産業や自然が豊富な自治体と判断。自治体と連携して開設する拠点として最適であると考え、このたびサテライトオフィスを設置したといいます。
霧島ラボを「あらゆる実証実験を行う場」と位置付け、具体的には農業や漁業、酒造業などにIT技術を取り入れ、DXにつなげるための研究開発拠点とします。東京の案件を遠隔で担うだけの開発拠点ではなく、地域の産業にドローンやIoTといったデジタル技術を用いて、DXによる地域活性化と新しい事業の創出に取り組むとしています。
また、市のバックアップも受けながら現地で採用活動を行い、IT業界の即戦力となるよう育成。さらに、経営合宿・研修合宿の拠点やワーケーション先として、既存拠点の従業員も行き来する場とすることも検討しているそうです。従業員の移住など、働き方の多様化も見据えています。
IT業界は変化が激しく、エンジニアの獲得競争も激化しているといわれます。採用戦略とともに、人口減少などに悩む地域の活性化にIT技術はどう寄与できるのか。同社の地方での活動や、霧島ラボの動向は要注目といえそうです。
