サーバーやセキュリティ、クラウドなどの自社製品を含めITインフラ事業を手がけるエイチ・シー・ネットワークス(本社:東京都台東区)がこのほど、山口県萩市にエンジニアの育成を目指すサテライトオフィス「萩開発センタ」を開設しました。10月3日には市長や県関係者を招き開所式を実施し、結束をアピール。新たな拠点から自社製品の開発やエンジニアの育成、また地元人材の新規採用なども積極的に進めていく計画です。
サテライトオフィス「萩開発センタ」での事業は、①自社製品「Adapterシリーズ」の開発②IT関連企業の誘致とソリューション連携③ユーザーイベントの開催④働き方改革関連のソフト開発を予定。この拠点をベースに周辺企業とのビジネス拡大や協業を図り、地域の産業振興に貢献したい考えです。また、若手人材を積極的に採用し、将来中核になる人材や地元に根ざすIT技術者を育成していく計画です。
背景には、IT人材の獲得競争の激化があります。同社によると、自社開発製品の拡大を進めている中で5年、10年後を見据えた人材リソースの確保と育成が大きな課題になっているとのこと。こうした中、サテライトオフィスの開設は人材採用の一手として注目されています。今回の拠点開設を機に、県や市の協力を得ながら新規採用を進めていくとしています。
働くエンジニアにとっても、都市部より安価なコストで生活でき、通勤時間を短縮できるなどワークライフバランスの向上が期待できるほか、自然豊かな環境で働くことでストレス軽減効果も見込めるといいます。また、地元の若者を採用することで人口流出に歯止めがかかり、地域経済の活性化に寄与できるとも考えているそうです。
10月3日に行われた開所式には、来賓を含め29人が出席。萩市の田中文夫・市長は、「萩市としてIT企業などを積極的に誘致し、若者を中心に移住・定住化を推進している中、今回センタを開所したことに対し大きな歓迎の意と今後の新たな雇用創出などへの協力を申し上げたい」と感謝と激励の言葉をかけました。
県産業労働部企業立地推進課の森光友憲・課長も、「今回の開発センタ開所は、山口県がめざすデジタル化の推進と新たな時代を担う人づくりを後押しする取り組み」と大きな期待を寄せると、エイチ・シー・ネットワークスの田中宗・社長は、それらに応えるかたちで地元人材の採用と育成、地域の経済発展に貢献する決意を力強く表明しました。