アプリ開発プラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」を提供するヤプリ(本社:東京)がこのほど、長野県小諸市の情報を一元化したアプリ「Komomag.(コモマグ)」の開発を支援しました。市をはじめ、商工会議所や一般社団法人こもろ観光局などと協働で運用し、市民や市外からの来訪者に向けて地域の魅力を発信するアプリです。
長野県東部に位置する小諸市は近年、首都圏を中心に移住・定住の動きが活発化しており、2023年には転入が転出を約20%上回り、300人超の転入超過となりました(出典:小諸市第3次総合戦略)。特に20〜30代の子育て、働き盛りの世代で流入超過へ転じており、暮らしやすさなどが注目されています。
これまで観光や行政の情報、民間・有志団体による活動などはそれぞれの媒体で発信されていましたが、情報が点在し、市民や来訪者が小諸の魅力や情報を把握しづらい状況が続いていたそうです。
今回のアプリ「Komomag.」は、そうした点在していた情報を一元化し、誰もが必要な情報にスムーズにアクセスできる仕組みを構築することを目的に開発されました。アプリを通じ、小諸の「今」を知り、感じ、楽しめる環境をつくることを目指すとしています。
アプリの特徴は大きく4つあります。まず1つ目が、「お出かけ・観光情報」です。小諸の歴史や自然、文化に触れられるスポットをはじめ、温泉やレジャー施設、フルーツ農園やワイナリーなど市内の見どころを紹介。マップ機能では、現在地から近い観光スポットを検索できます。

2つ目の「飲食店情報・クーポン機能」では、小諸名物の「そば」をはじめ、地域の食材を生かした飲食店の情報を一覧で紹介。2026年から対象店舗で利用できるお得なクーポン配信も予定しています。
3つ目の「生活・行政情報」では、避難場所の案内やゴミ出し情報、地域イベントのほか、移住や子育てに関する情報も発信。4つ目は地域の魅力を深掘りするオリジナルコンテンツとして、独自の取材記事や動画コンテンツなどが掲載されるそうです。

同社によると、アプリの導入を機に地域全体でデジタル化が進み始めているといいます。市の広報誌が電子書籍化されたほか、施設の予約では「アプリ経由で申し込めるように」と各事業者が自発的にWebフォームを整備するなどの動きが生まれているからです。
アプリは今後、利用者の関心や行動を踏まえ、仕組みや掲載する情報を順次アップデート、拡大していく予定です。ヤプリとしては今後も、地方行政や自治体と連携し、アプリを通じて地域のデジタル化を後押ししていきたいとしています。