アメリカ航空宇宙局NASAのシニアエンジニアであるジョージ・ゴロスペ氏(以下、ジョージ氏)がこのほど、石川県加賀市でAIスタートアップを創業しました。IT関連のスタートアップ企業などが入居できる「加賀市イノベーションセンター」にオフィスを構え、デジタルに関する教育プログラムの企画などを手がけます。
ジョージ氏と加賀市との縁は、2019年に開催されたロボット動作のプログラミング学習などを体験できる「加賀ロボレーブ国際大会」から始まりました。同大会にジョージ氏が来賓として参加したのをきっかけに、2020年からは高校生にロボティクスのプログラミングを教えるNASAのプロジェクトの講師として指導に当たりました。
その後、2023年に加賀市の人材育成アドバイザーに就任。翌年、自身が代表取締役を務める事業会社を市内に設立しました。起業に際しては、市が関係人口の創出を目的に、住民票を持たなくてもネット上の“市民”になれる「e-加賀市民制度」を外国人起業家として初めて利用。同制度の特典であり法人設立などに必要な各種申請をオンラインでまとめて実施できる「加賀市開業ワンストップセンター」を活用し、アメリカに暮らしながらリモートで創業準備を進めていたそうです。
社名は、FutureReady Education株式会社。事業内容は①デジタルに関する教育プログラムの企画及び実施②各種イベント・コミュニティの企画及び運営③起業家の教育及び育成④ベンチャー企業に対する投資及びコンサルティング。AIを活用し、さまざまな事業やプロジェクトを展開していくとしています。
市の関係人口創出に関わるユニークな取り組みが奏功した一例ともいえ、今後外国人を含めた市内での創業を促す大きなステップになりそうです。