広島県は、AIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用し、様々な課題解決を図るオープンな実証実験の場「ひろしまサンドボックス」に取り組んでいます。このほど、道路施設の課題に焦点を当てた実証プロジェクト(行政提案型)を県内外から募集し、8件の実証プロジェクトが決定しました。
「ひろしまサンドボックス」は、県内外の企業や大学、自治体など多様なスキルをもつ人材を呼び込み、イノベーションを通じて地域課題の解決につなげようというプロジェクト。2018年度にスタートし、3年間で最大10億円規模の投資を行う予定です。
今回決まった実証プロジェクトは、道路施設にフォーカスしたもの。現在、多くの自治体が道路などの老朽化や維持管理・更新費の増加などの課題に直面しており、効率的な維持管理が求められています。
このほど決定した8件のプロジェクトでは、法面崩落の予測や除雪作業の支援、路面状態の把握などに取り組むそうです。今回は、下記の3つのプロジェクトを紹介します。
➀法面崩落の予測
県管理の道路法面は、斜面状況や構造物の変状の有無を週1回の道路巡視など、人の目によって確認している。法面崩落や落石は事前に予測し対応することは困難で、事後的な対応となることが多い。
【取組方針】
法面崩落につながる前兆を把握することなどによって、法面の崩落予測技術を構築。
②除雪作業の支援
【課題】
除雪作業は、雪で覆われているマンホールなど道路周辺の障害物を避けながら除雪機械を運転する必要があるため、道路を熟知した熟練のオペレータの技術に支えられているが、オペレータの高齢化や若手の担い手不足が課題となっている。
【取組方針】
経験の浅いオペレータであっても、除雪作業が可能となる支援技術を構築。
③路面状態の把握
【課題】
舗装は、週1回の道路巡視や5年に1回の路面性状調査(ひび割れ率、わだち掘れ、平坦性)を実施している。県が管理する道路延長は約4,200kmと膨大な施設規模であるため、従来の調査手法にとらわれない効率的な調査手法が必要となっている。
【取組方針】
道路舗装について、効率的な路面性状調査手法と路面陥没(穴ぼこ)を予測する技術を構築。
県内外の多様なプレイヤーを巻き込んだ大掛かりなプロジェクト「ひろしまサンドボックス」。いよいよ大きく動き出したかたちとなり、今後の動きも注目されます。
「ひろしまサンドボックス」のサイトはこちら→https://hiroshima-sandbox.jp/