都市部で慣れてから、じっくり移住地選びを! 移住後のミスマッチを防ぐ「こうち二段階移住」

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UIターンや移住には不安がつきもの。都会から田舎へ行ってみたいけれど、そこが本当に自分に合う環境なのか? 思い通りの生活スタイルは営めるのか? 移住してみてから「やっぱりちょっと違うかも……」となるのは移住者にとっても移住先にとっても避けたいこと。そこで今回、高知県は「こうち二段階移住」というユニークな取り組みに着手しています。

高知市は加速する人口減少に歯止めをかけるべく、2014年度から「住んでみたい・住み続けたいまち高知市」の基本方針のもと、積極的に移住・定住の促進に取り組んできました。高知県主催の移住相談会や、全国規模の移住相談会への出展などを積極的に行い、2012年に36名だった移住者数は2017年には約8倍の302名になるなど過去最多を記録。年々、移住希望者数が増加の一途を辿っています。

しかし、人口という点で見てみると、高知市では2017年には前年比約1800人の減少、高知県全体では7200人もの人口減となっています。理由としては、出生数の減少や若者の転出超過が主に挙げられますが、移住者という点で見ると全体の約1割の人たちが県外に転出してしまっている状況でもあります。

■「こうち二段階移住」とは?
そこで、高知市を含む高知県内の34市町村は、移住希望者の不安解消やさらなる移住者獲得に向けて、2018年度から移住希望者に「こうち二段階移住」を提案しています。


「二段階移住」とは、移住希望者に
1.まず県内で比較的に都市機能が揃っている高知市に移住・滞在
2.その後、県内の市町村に移住

の計2ステップを踏んでもらうという移住方法です。
田舎暮らしを考えている都市部の移住希望者のハードルを下げ、潜在的な移住希望者を顕在化させるとともに、自分の住みたい町をゆっくりと時間をかけて探すことで、移住後のミスマッチを防ぐことが期待されます。

■二段階移住の補助について
高知市では、県内への二段階移住を考えている人を対象に、一段階目となる高知市でのお試し移住費用などを補助しています。補助対象者は高知市が発行する「すてっぷ移住パスポート」を入手し、県内市町村の移住相談窓口を3か所以上巡ってスタンプを集めると、最大22万円を高知市が補助します。

お試し移住費用 上限20万円(実費)
一段階目となる高知市で、1か月以上の建物賃貸借契約を締結した物件に入居する場合、「1か月分の家賃」「初期費用(礼金・仲介手数料・家賃保証料・鍵交換料・その他これに類するもの)」「引越しに係る荷物運搬料」を補助。

レンタカー費用 上限2万円(実費×1/2)
二段階移住の相談を行うために、高知市を除く県内市町村の移住相談窓口を巡る際に使用するレンタカー利用料を補助。

■二段階移住体験者インタビュー

金子仁さん(司法書士・四万十町)
30歳の時に高知県への移住を決意。「高知県についての情報が何も無い状態でいきなり田舎に住むという選択肢はありませんでした」。移住への1ステップとして、今までとそれほど変わらず便利に暮らせる高知市内を選び、徐々に生活の基盤を整えていった。それが大正解だった。今では、頼れる司法書士として、四万十町にとって無くてはならない存在となった。休日はマラソン大会への参加や、家族とのドライブで過ごし、「自然を見ているだけで気分が良い。この景色は、得難い財産です」。田舎暮らしを心から楽しんでいる。


澤本洋介さん(子育て世代・本山町)​
高知県を移住先に選んだ決め手は、旅行で立ち寄った鏡川の美しさだった。最初は高知市内に住み、「高知市内までは、移住というよりも普通の引っ越し感覚でした。でも田舎となると、仕事も住居もどう探したらいいのか分からないし、いきなり住むには不安がありました。」生活の基盤を固めるために高知市内で過ごした期間は、今に至るための必要不可欠な1ステップだった。本山町への移住後は、地域のニーズにあわせ、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得。澤本さんは本山町の一員として、住民に慕われ、愛されている。

■二段階移住プロモーション動画
高知市が制作した「こうち二段階移住」のプロモーション動画が10月31日から一般公開されています。
下調べをせずに移住した夫婦を描いたシュールなアニメと、実際に高知県内に移住をされた人たちのインタビューの2部構成となっており、二段階移住が分かりやすく紹介されています。

 動画公開URL:https://www.youtube.com/watch?v=hd9BW4g6sFU
 公式サイトURL :https://www.city.kochi.kochi.jp/deeps/01/010999/renkei-nidankaiiju/index.html

■移住専門誌「TURNS」×こうち 二段階移住ハンドブック
移住専門誌「TURNS」とのコラボによる二段階移住ハンドブックが、2018年10月30日に完成しました。
「二段階移住」の仕組みや高知県内の各市町村の魅力などを移住者インタビューとともに分かりやすく紹介されています。A4サイズ40ページ。高知県への移住相談会や各市町村・関係機関の窓口で配布しています。

About Author

https://shiftlocal.jp/

シフトローカル編集部。シフトローカルなメンバーが集まって構成している。

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