広島県はこのほど、人工知能(AI)やIoT、ビッグデータなどの先端技術を使って新たなイノベーションを生み出すための取り組みに乗り出す。そのための実証実験の場として「ひろしまサンドボックス」を構築。ここに県内外の企業や大学、自治体など多様なスキルをもつ人材を呼び込み、イノベーションを通じて地域課題の解決につなげたい考えだ。2018年度からの3年間で、最大10億円規模の投資を行う予定。
AIをはじめとする新しい技術が急速に発展し、今後暮らしや社会が大きく変化していくことが予想される。国内外の企業各社は近年、そうした成長分野への投資を加速させている。一方で、県内の企業にとっては投資リスクや単独での研究開発に壁を感じているケースが少なくないという。
そこで、県内外の企業などが互いのリソースを共有できる環境を整備することで、そうしたハードルを解消するのが狙いだ。この「ひろしまサンドボックス」を通じて県内企業が様々な知見やノウハウを蓄積し、新しいイノベーションや地域課題の解決策を生み出すことを期待している。
サンドボックスが「砂場」を意味するように、県内外の企業、大学、自治体など様々なプレイヤーの参加を促す。互いに連携し、AIやIoTなどの分野で実証実験を繰り返しながら広島発の新たなソリューションの創出をめざす。
5月17日には都内で記者会見を開催し、湯崎英彦・県知事が同プロジェクトの意義を説明。また当日は、長谷部健・渋谷区長のほか、ソフトバンクやNTT西日本も出席した。今回のプロジェクトでは渋谷区と連携し、区内のスタートアップ企業などの参加を促すとしている。一方、ソフトバンクとNTT西日本とは連携協定を結んでおり、「ひろしまサンドボックス」でも協力していく計画のようだ。
県は、多様な人が集まりセミナーやワークショップなどを開催する「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps(キャンプス)」を運営するなど、これまでもイノベーションの創出に役立つような取り組みを進めてきた。
なお、「ひろしまサンドボックス」では6月と9月の2回に分けて実証実験事業の公募を実施する予定。公募に関する説明会を5月30〜31日に県内2カ所で開催する。また7月以降、IoTに関する専門人材を育成するための講座・プログラムも開講する。
詳細は「ひろしまサンドボックス」のホームページから。
http://hiroshima-sandbox.jp/