地方にはポテンシャルがある。
そんなことを感じさせてくれるニュースを、4月28日、あのチームラボが発表した。
チームラボは、佐賀県・武雄市にある、15万坪の大庭園、御船山楽園にて光の祭「御船山楽園 かみさまがすまう森のアート展」開催する予定を発表した。
庭園内に「自然が自然のままアートになる」アートプロジェクトの6作品を展示する予定。
地方には素晴らしい地理的特性を持つ場所、歴史的背景を持つ場所、特異な文化を残す場所が多数あります。それらは深く知れば魅力的である一方、海外の人には少しわかりにくかったり、現代には少し退屈だったりする側面もあります。しかし、その場所の特性を生かし、新たな価値を付加し拡張することができたら、大都市にはない魅力的なスポットになりうるポテンシャルを持つと考え、チームラボでは、Digitized Nature、Digitized Cityというアートプロジェクトをやっています。
Digitized Nature、Digitized City とは、デジタルテクノロジーを活用することによって、自然を破壊せず、街並を物理的に変化させることなく、その景観などを一大アート空間にするプロジェクトだ。
その土地土地の背景や歴史、魅力を引き出していく、地方創生の新たな可能性を探る手段と言える。
全国的に見ても先進的な取り組みをする武雄市と、ITアートテクノロジーに挑戦するチームラボだから実現できた試みと言えるかもしれない。
今回、池の水面に蓮の花が咲きわたり、鯉が泳ぐ「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイングと蓮の花」、訪れた人々がカエルやトカゲなどの生き物を描くと、現在は廃墟となっている大浴場で動き出す「Graffiti Nature – 廃墟の湯屋に住む生き物たち」、苔の巨岩に8mの滝をプロジェクションした「かみさまの御前なる岩に憑依する滝」などを展示予定。
御船山楽園内、稲荷大明神にある巨岩(高さ3030mm幅4550mm)に滝をプロジェクションした作品。水の動きを物理計算し、滝をシミュレーションし、実際の岩にプロジェクションマッピングしている。 御船山楽園内の今は使われていない旧大浴場内に水をはり、その空間がみんなの描いた様々な生きものたちによって創られる自然の世界になる。 御船山楽園内もみじ生す巨岩(高さ2370mm 幅4700mm)に「円相 / Enso」をプロジェクションした作品。
以上、今回予定している展示の一部を紹介。
行って純粋にその空間を堪能するもよいが、現場で、空間を実現している仕組みについて思いを馳せるのも一興だろう。
■開催概要
御船山楽園は、1845年開園、国登録記念物の名勝地でもある大庭園。
期間は、2017年7月14日(金)~10月9日(月)。
詳細: https://www.teamlab.art/jp/e/mifuneyama2017/