宮崎県新富町に農業特化のコワーキングスペース。IoT研究などのベンチャー企業誘致へ

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宮崎県新富町で起業家育成など地域経済の創出に取り組む一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)が、IoTなどの先進技術を保有する農業ベンチャーなどの入居を想定した、農業に特化したコワーキングスペース「アグリテックラボ」を11月1日にオープンします。1社2名・計10名を定員として、 10月25日まで入居希望者を募集しています。

「アグリテックラボ」の室内の様子。

IoTのほかに、ドローンや画像解析、コンサルティングなど、農業のコストダウンや高品質化につながる先進技術をもつ事業者を誘致し、新富町の基幹産業である農業を支援するための試み。地元農家や関連事業者との協働、共同研究・開発を促進し、アグリテック事業の成長と拡大を図ることが目的です。

場所は、新富町内の「るぴーモール虹ヶ丘商店街」の一角にある空き店舗を、 こゆ財団が改装して開設します。施設内にはワークスペースのほか、 Wi-Fi環境、 3Dプリンター、共用ミーティングルームも用意。 こゆ財団が町内の農家や関連事業者、 新富町役場とのコーディネートを行うことで、 入居事業者の事業を後押しします。

先進農業に定評。都城高専とのアグリテック共同研究も進行中

宮崎県のほぼ中央に位置する新富町は、約2,210ヘクタールの農地をもつ農業の町。コシヒカリを主体とした早期水稲や、ピーマン、胡瓜、トマト、メロンなどの施設野菜、さらには茶、洋らんのほか、養鶏、肉用牛、酪農などの畜産も盛んです。

新富町の主幹産業である農業。こゆ財団はアグリテックを用いた課題解決を進めている。

ただ、近年は価格の低迷や農家の所得低下などによって離農が進み、後継者不足も課題になるなどしており、新富町ではその課題解決が重要なテーマになっています。そのためこゆ財団は、特産物であるライチの1粒1,000円のブランド化や、ふるさと納税を活用した農産物の販路開拓、商品開発に取り組んできました。

その結果、 株式会社ボーダレス・ジャパン(東京都)から昨年9月に起業家1名が新富町で新規就農。さらに、若手農家がクラウドファンディングで支援金を獲得し、新規事業に着手するなどの事例が生まれています。

また、先進技術で農業の収量向上やコストダウンをはかるアグリテックの拡大にも注力。今年3月には、都城高専(宮崎県都城市)と連携協定を締結し、共同研究にも着手しています。さらに、同年5月には農業におけるIoTの標準化を目指し、「IoT推進コンソーシアム」にも加盟。このように、新富町には先進農業について連携・協働できるパートナーや、実践しやすい環境が揃っています。

町内では複数の農家がアグリテックを導入。都城高専と共同研究も行っている。

入居事業者と共同研究・連携事業を展開

こゆ財団は今後、町役場や地元農家、教育・研究機関などと連携し、農業の課題解決につながる事業を「アグリテックラボ」の入居事業者と創出することを目指します。先進農業を実践する人材育成や教育にも力を入れ、新富町を全国各地から情報と人材が集まる“農業先進地”として確立し、農業を軸とする地域経済の発展を実現したい考えです。事業者にとっては、農業に関する先進的な共同研究や商品開発、マーケティングなどを試す機会になりそうです。

<施設概要>
農業特化型コワーキングスペース「アグリテックラボ」
場所:新富町商店街(新富町富田2)
定員:10社(1社2名まで)
利用:24時間
形態:創業または支店/支社拠点(テレワークも可。ただし1ヶ月の2/3は所在していること)
料金:無料(2018年11月~2019年10月)
申込:2018年10月25日締切
問い合わせ:こゆ財団 0983-32-1082(担当:高橋慶彦)

<入居について>
入居に際しては、事前審査を実施。申込受付は定員に達し次第締め切り。

①お申し込み
入居申込フォーム http://urx3.nu/Mm2l から
②審査(面談)
現地(宮崎県新富町)で面談を実施
③入居手続
審査通過者には入居手続を案内

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シフトローカル編集部。シフトローカルなメンバーが集まって構成している。

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