新技術の社会実装を目指す「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」、5件の支援事業が決定!  

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学術・研究都市として広く知られるつくば市(茨城県)。市では現在、民間の創意工夫を活かしたIoT・AI・ビッグデータ解析などの革新技術を社会実装するための実証実験を公募し、優れたトライアルを支援する取り組みを行っています。そして先月8月28日(火)に、公開プレゼンテーションと、国内初の試みとなるマイナンバーとブロックチェーンを活用したネット投票による最終審査において、5件の支援事業が決定しました。以下、順にご紹介していきます。

【「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」概要】
つくば市では、国が第5期科学技術基本計画(平成28年1月閣議決定)で提唱している「超スマート社会(※1)」の実現に向けた取組「Society 5.0(※2)」について、全国の企業及び研究機関、教育機関などの新技術(例えば、IoTやAI、ビッグデータ解析、ロボットなど)の社会実装に向けた実証実験(以下「トライアル」といいます。)を支援し、つくばのフィールドを活用して具現化することを目指す取組みを実施しています。

 ※1 「超スマート社会」
 必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細やかに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な制約を乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会
 ※2 「Society 5.0」
 サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が高度に融合した「超スマート社会」を未来の姿として共有し、その実現に向けた一連の取り組み

7月に行われた一次審査において、IoT・AI・ビッグデータ解析などの技術を活用した製品やサービスの事業提案22件の中から、13件が最終審査に進みました。8月28日に行われた最終審査は公開プレゼンテーション形式で行い、5名の審査委員による審査と、国内初の試みとなるマイナンバーカードとブロックチェーンを活用したネット投票による審査で、5件の支援事業の採択を決定しました。
また、この採択にあたりつくば市では下記の3つの支援を行っていきます。

(1)幅広い支援
費用補助100万円(上限):施設使用費、運搬費用、旅費、モニタ謝礼、試作品改良費など
(2)市内施設活用
市内公共施設や市民モニタのあっせん、イベントでのPRなど
(3)継続フォロー
市政サービスにつながる技術の導入や、マッチング規制緩和・制度改革の提案までをフォローします。

【提案採択決定者・提案概要】
(1)国立大学法人筑波大学
街が聞こえるナビゲーションとストリートサウンド

本提案では、目で見る地図を耳で聞こえる地図に置き換えます。具体的には、ショッピングモールなどにおける地図情報の聞こえるサイネージの検討を行います。これにより、誰もが身体的なDisability(障害、ハンデキャップ)に捕らわれない高度にサイバー空間と接続された社会を目指します。

(2)プリンタブルセンサーコード技術研究組合
温度センサーとして機能するカラーコード(IoTシール)~産地の美味しさを食卓で~

産地で味わった美味しさを覚えていますか?
牧場で飲んだ牛乳、漁港で食べた海鮮丼、酒蔵で飲んだ生酒。それを自宅で楽しみたい!そんな願いをカラーコードで実現。温度トレーサビリティを確保し、産地の美味しさを食卓で!

(3)株式会社Co-LABO MAKER
研究開発リソースシェアリングプラットフォームによる既存資源を活かしたつくば活性化

つくば市にある各研究機関および企業の設備と技術を登録し、研究開発リソース及びそれを広められるインフラを提供することで、各研究開発組織の間の障壁がなくなり、誰もが使いたい技術を安心して使えるようにします。

(4)ペンギンシステム株式会社
健診時に嗅覚も検査することで認知症に早めに気付ける社会を実現!

近年、認知症などの早期に嗅覚能力の低下が起こることがわかってきました。当社は産総研と嗅覚検査装置の開発をしており、これを健康診断に導入することで、認知症の早期発見が可能な社会を目指します。

(5)Blue Industries 株式会社
ポータブル血液分析デバイスを用いた社会実装実験~医療費削減を目的としたセルフケア社会の実現に向けて~

近年の医療費増加などにより、自分で健康を管理するセルフケアが重要となっています。本事業では、モニターを募集し、当社の血液検査デバイスを活用していただき、使用感などについてアンケートを実施します。その結果を基に、一般販売に向けた改良などを行います。

【ネット投票1位 結果】
ネット投票!(得票同数となっため、ネット投票1位は2社となります。)
Icaria株式会社
尿中miRNAをバイオマーカーとした新たながん診断技術の創出

私たちの目標は尿検査で高精度な早期がん診断を行うことです。がん患者特有の尿中物質の構成を人工知能で分析することで、がん診断を実施します。つくば市の病院から肺がん患者の尿検体を収集し、肺がん診断システムの実証実験を行います。

国立研究開発法人防災科学技術研究所
ビッグデータとAIを活用したリアルタイム被害推定情報による地域の防災力向上

観測記録と地盤・人口・建物データにもとづく被害推定情報に加え、災害時の人や車の動きなどのビックデータを活用し、発災直後に行政、企業、市民が最適な対応をとり、被害を軽減するための実証実験を行います。

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シフトローカル編集部。シフトローカルなメンバーが集まって構成している。

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