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簡単にスカイプ(ハングアウト)って言わないでくれませんか? 〜課題だらけの遠隔ミーティング〜

課題1:どうもニュアンスが伝わっていない気がする

簡単にスカイプ(ハングアウト)って言わないでくれませんか? 〜課題だらけの遠隔ミーティング〜
IT関係の仕事をしていると遠隔ワークは珍しいものではありません。

結構気軽に、
「じゃあ、◯時にスカイプで!」
「定例ミーティングはハングアウトを使おう」
なんて言われたりします。

Roomなんてこじゃれたサービスを指定されることもありました(2017年2月に閉じちゃっいましたけど)。
ログインしなくても使えたから便利だったんですけどね……。
非IT職のユーザーも大多数であろうレアジョブやDMM英会話などでも、スカイプを活用したサービスが成り立っているわけですから、もはやインフラに近いような立ち位置ですよね。

さて、この記事を掲載しているメディア・シフトローカル編集部は、IT職の遠隔ワークを支援している位ですから「じゃあ、編集会議はハングアウトでいいよね?」なんてよくあります。
東京、山梨、京都、北海道でつなげたり。

でも、この気軽に言われる「打ち合わせはスカイプ(ハングアウト)で!」なのですが、うまくいかなくてイラっとした覚えはありませんか?

僕もフリーランスですので、色々なお客さんとスカイプやハングアウト、時にはLINEで、打ち合わせをすることは少なくありませんが、スカイプやハングアウトを使ったミーティングの精度を高めるにはそれなりの準備が必要であることを正直感じています。

実際のところ、「やっぱりオフィスまで来てもらっても良い?」なんて言われることもありますので、遠隔ワークを推奨するシフトローカル編集部においても、できれば顔を合わせてミーティングしたい……という欲求はあるのです。これはやはりスカイプ(ハングアウト)では何かしらの不便があるからなんだろうな〜と思います。

失敗例:遠隔地とのミーティングで、こちらのニュアンスが伝わっていなかった

ここでうまく行かなかった事例を一つ……。
シフトローカル編集部の運営主体であるガリレオスコープ社には、東京(本社)、沖縄と島根県松江に拠点(ブランチ)があり、2拠点間ミーティングを行っています。

図説すると下記のような感じです。
Skype-MTG-figure01
僕は、東京チームの人間として参加。
東京の方がチームが大きいですね。まぁ、そうだよね〜というところですが……。

で、毎週のようにミーティングをしていたところ、ある日、東京チームの責任者から「会議で話し合ったことが、今ひとつあっち(沖縄)側に伝わってないことが気がする」というコメントをいただきました。

その時は、「え? そうですか?」なんて思ったものの、実際に業務を進めてみて、まぁ、たしかに「そうかも?」と思うことがありました。

きっと「手法」に課題があるのでしょう。聞いて、調べて下記の結論に達します。

◯ ミーティング中、こちら側の音声がうまく届いてなかいことが頻繁にあった(が、会議はそのまま進んでいた)。
◯ ずっと東京側の音声がハウリングしていてほとんど全く聞こえなかったミーティングもあったらしい。

……

……

……

……なんだ、そんなこと?って思いませんでした?

僕も上記を聞いたときには、「え?だったらその時に言ってよ!」と思いました。

でも、どうして「もう一度言ってください」が言えないのか?

簡単にスカイプ(ハングアウト)って言わないでくれませんか? 〜課題だらけの遠隔ミーティング〜

課題が見えたら解決は簡単。ちゃんと音が伝わるようにしたらいい!!……と思うのですが、とはいえ、うまくいかない時ってありますよね。

  • ネットワークが不安定だったり
  • パソコンの調子が悪かったり
  • 慣れてない人がスカイプ(ハングアウト)の設定することになって手間取ったり

……などなど。

ましてや、UIターン者だったりすると、移住先の拠点が充分な設備を整えられる状況じゃないこともあるでしょう。

(余談ですが、以前、「スカイプやハングアウトがあるのに、どうしてあの会社は、わざわざ高い専用システムを採用しているの?」って思ったことありますが、やっぱり理由があるんですね。毎回安定したミーティングの場を持つための環境設備費用なんでしょうね。きっと)

では、どうしたらよいか?

コミュニケーションの工夫でカバーすればいいんだと思います(非IT的な提案ですいません。。。)

「ニュアンスが伝わらない」情報差が、どうして起こるのかといえば、その1つに2拠点間のパワーバランスがある気がしています。拠点間の主従関係といっても良いかもしれません。

たとえば、2人によるスカイプ(ハングアウト)の例です。
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Aさん:では、この業務は、(----通話が不安定になる----)……までに仕上げてもらっても良いですか?
Bさん:聞こえませんでした。もう一度言ってもらって良いですか?
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と、情報共有が成功するまで会話が繰り返されるので問題になりません。
(蛇足ですが、DMM英会話の講義の冒頭で必ず「私の声が聞こえますか? 姿は写っています?」と先生から聞かれますが、こういう定型の確認事項はやはり重要ですね)

2拠点間のミーティングでも、拠点同志で議論するのであれば、おそらく同じことが起こります。
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拠点Aチーム:これはBチームとしてはどうですか?
拠点Bチーム:こちらの地域性から考えるとその案は妥当性に欠ける気がします
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のような感じですね。

では、どういうようなケースで問題が起こるのか?
拠点間でのパワーバランスの差が大きい時だと思っています。

たとえば、上記の「東京・沖縄」ミーティングの場合、
本社(Aチーム)は、「社長やプロジェクトリーダー、進行係」を抱え、参加人数も多く、パワーバランスが圧倒的に大きい。
こうなると、テーマによっては、ブランチ(沖縄)側は情報共有のために聞いているだけ……ということが起こってしまいます。

詳細は避けますが、「ニュアンスが伝わってないな〜」となった議題のテーマも「東京」側に関わる話題がメインでした。

すると、
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ブランチ側:あ、今よく聞こえなかったや。まぁ、でも、問題ないよね?
本社側  :(当然、ブランチ側は聞いてくれているものとしてどんどん進める)
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ということが当然ながら起きます。

で、後々、
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ブランチ側:これって決まってましたっけ? そんな話ありました?
本社側  :え?ミーティング出てたよね。。。
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となる。

本社とブランチ間のMTGではパワーバランス生じがち
この課題自体はシンプルなのですが、色々なプロジェクトで、スカイプ(ハングアウト)を使っている経験からすると、このケースは意外と少なくありません。
自分がブランチ側に回って「本社側の話をしているニュアンスが良くわからん!」と感じることもあります。

メインストリーム側にいるとなかなか察することができない課題です。

大事なのは「もう一度言ってください」が言える環境づくりと進行

シンプルだけど少なくないこの課題。
「だったら言えばいいじゃん!」(強い側)が言うのは簡単ですが、
立場が弱い側からすると「言いづらい。。。怒られそう……」と思ってしまうこともあります。

ここで「ちゃんと言いなさい」と強要してもなかなか解決するものではありません。
自分より上司が遠隔で話を進めていると……どうしても割り込みづらいものです。。。

ということで、オススメしたい工夫は、
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◯ 1つは、聞けなかった側が「安心して聞ける」ように環境や雰囲気を作って上げること。
(相手が「よく聞こえませんでした」と言った時に、間違っても舌打ちしたり、相手を責めない。声を荒らげない)
◯ もう1つは、おりにふれて「今のは伝わりましたか?」「そちらのチームとしての意見はありますか?」と話をふること
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です。

相手に伝わらないのであれば、伝わるまで会話する、ということですね。

限られた会議の中で足踏みをするような時間を設けるのは、ちょっともったいない気もしてしまうのですが、
そこは、顔を合わせてのミーティングと違うのだと意識してください。
技術面での提案ではありませんが、ぜひ意識してみてください。

■今日の提案のまとめ

  • 相手拠点側に「こちらの声は聞こえますか?」「映像は写っていますか?」と最初に確認する
  • 両拠点がお互いに「よく聞こえませんでした」と言える雰囲気作り
  • 相手側に「今の話、どう思いますか?」と話をふること

この連載では、執筆者が普段の仕事で使っているスカイプ(ハングアウト)ミーティングでの経験や試行錯誤を紹介しつつ、より効果的に遠隔ミーティングについて掘り下げていきます。
皆さんの失敗事例やうまくいくコツなど、ぜひ教えてください。

About Author

シフトローカル編集部。編集者。

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